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ココナラ出品者の確定申告|売上と手数料の経理処理・計上時期・経費・インボイスの考え方

ココナラで得た収入は、会社員の副業でも専業でも、所得として計算する対象です。結論から言うと、確定申告の準備で最初にやることは、マイページの「売上管理・振込申請」から売上データ(CSV)をダウンロードして、1年分の売上を一覧にすることです。そのうえで、入金額ではなく「手数料を引く前の金額」を売上として整理し、手数料や通信費などを経費として差し引いて所得を出します。

ただし、ココナラの公式ヘルプ自身が、売上の計上時期や手数料の申告のしかたは「税務署に確認を」としています。この記事では、公式ヘルプと国税庁の公開情報(2026年10月13日確認)で言い切れる部分と、確認が必要な部分を分けて書きます。個別の判断は、税務署または税理士に確認してください。

公開:2026-10-13|最終確認:2026-10-13|約7600字

ココナラの収入は確定申告でどう扱われるか

ココナラの公式ヘルプ「ココナラで得た収入にかかる税金」では、個人の出品者の収入には所得税がかかるとされています。対象期間は1月1日から12月31日までの1年間で、その分を翌年3月15日までに申告するのが原則です。国税庁のタックスアンサー(No.2020)でも、申告期間は原則として翌年2月16日から3月15日までと案内されています。法人として出品している場合は法人税の扱いになり、公式ヘルプでは事業年度の終了日の翌日から2か月以内の申告が必要とされています。この記事は、個人の出品者を中心に書きます。

ココナラのヘルプで強調されているのは、会社員の給与と違って、ココナラで得た利益は自分で所得と税額を計算して税務署に申告することです。ココナラは源泉徴収をして代わりに納税してくれる立場ではありません。振り込まれた金額がそのまま税引き後の手取りになるわけではないので、入金額の一部を税金として取り置く発想が必要です。取り置き額の考え方は税金の積み立ての記事にまとめています。

少額なら申告しなくていいのか

公式ヘルプも「少額であれば申告不要と言われることが多い」としつつ、実際に申告が必要かどうかは法律の要件に照らして個別に判断するよう案内しています。金額の基準は書かれていません。

手がかりになるのが国税庁の20万円ルールです。タックスアンサー(No.1900)によると、給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象になっている人は、給与所得と退職所得を除く各種所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要になります。ここでいう20万円は売上ではなく所得、つまり売上から経費を引いた後の金額です。なお、このページは所得税についての説明で、住民税の扱いは書かれていません。住民税は別の判断が必要になる場合があるので、お住まいの市区町村に確認してください。診断は確定申告の要否チェックツールでも試せます。副業全般の申告の考え方は副業・フリーランスの確定申告の記事で整理しています。

20万円ルールは、給与が1か所で年末調整が済んでいる会社員などが前提です。給与が2か所以上ある、そもそも給与がない、還付を受けたい、といった場合は別の判断になります。

売上と手数料の経理処理:総額を売上に、手数料は別に立てる

ココナラでは、購入者が払った金額から販売手数料が差し引かれた額が売上金として計上され、振込の対象になります。公式ヘルプでは、販売手数料は通常サービスで22%(税込)、ビデオチャットは27.5%(税込)です。つまり、5,000円のサービスが売れても、画面に出る売上金は3,900円です。ここで迷うのが、申告のとき「5,000円」と「3,900円」のどちらを売上にするかです。

公式ヘルプ「所得の計算方法」には、この点について「売上額のみを申告するのか、手数料も含めて内訳を申告するのか」は最寄りの税務署に確認するよう書かれています。公式には答えが出ていないので、ここからは一般的な整理です。

一般的な整理:総額を売上、手数料を支払手数料

多くの個人事業主の記帳では、購入者が支払った金額(手数料を引く前)を売上とし、販売手数料を「支払手数料」という経費科目に入れます。当サイトの副業の確定申告の記事でも、この整理を一般的な考え方として紹介しています。帳簿の見た目は次のようになります。

項目金額備考
売上(購入者の支払額)5,000円サービス価格・有料オプション・おひねりの合計
支払手数料(販売手数料22%)1,100円公式ヘルプでは税込の率
売上金として計上される額3,900円この額が振込の対象

入金額だけで売上を数える方法(純額)でも、その売上から経費を差し引くだけなら、最終的な所得は同じになります。違いが出るのは収入金額そのものです。たとえば国税庁のNo.1500には「前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円以下」といった収入金額を基準にした判定があります。こうした判定では、総額で数えるか純額で数えるかで結果が変わる可能性があります。迷う場合は、どちらの方法で記帳するかを決めて税務署に確認し、毎年同じ方法を続けてください。

計算例:年間48万円売れた場合

売上(総額): 480,000円
販売手数料(22%): 480,000円 × 0.22 = 105,600円
通信費(按分後): 24,000円、ソフト代: 12,000円
所得: 480,000円 − 105,600円 − 24,000円 − 12,000円 = 338,400円
入金額の合計: 480,000円 − 105,600円 = 374,400円(振込手数料は考えない場合)

この例なら、会社員が副業でやっていて他に所得がないとしても、所得は20万円を超えるので所得税の申告が必要になる可能性があります。入金額の374,400円を基準に考えると、経費として差し引くものを見落としやすいので、まず総額と手数料を分けて把握するのが安全です。手数料の仕組みはココナラの手数料の記事で解説しています。

おひねり・オプションも売上に含まれる

公式ヘルプによると、販売手数料の対象は同じトークルーム内の「サービス価格、有料オプション、おひねり」です。売上データ(CSV)の「内訳」欄にも、基本料金、おひねり(追加支払い)、オプション支払いが区別されています。申告では、これらをまとめて売上として扱うのが自然です。 おひねりの分だけ漏らすと、売上が少なく申告される形になるので注意してください。

売上を計上するタイミング:取引完了日か、入金日か

年をまたぐ案件があると、「売上をどの年に入れるか」が問題になります。ココナラ側の事実として、公式ヘルプ「販売時の手数料について」には「トークルームの取引完了時に、手数料を引いた額が売上金として計上される」とあります。売上データ(CSV)の「売上確定日」は、売上として計上された日です。振込申請をして実際に口座に入金されるのは、それより後になります。

国税庁の考え方(事業所得の場合)

国税庁の所得税基本通達(第36条関係)では、事業所得の収入すべき時期について、人的役務の提供(請負を除く)は役務の提供を完了した日、物の引渡しを要しない請負は約した役務の提供を完了した日が基本とされています。入金された日ではなく、仕事が完了して報酬を請求できるようになった時点が基本という考え方です。ココナラの「取引完了」は、この考え方に近いタイミングですが、どの日を実際に採用するかは個別の事情で変わるため、断定はできません。 データ納品型のサービスで、納品日と取引完了日が離れている場合などは、特に迷いやすくなります。

雑所得は現金主義を選べる場合がある

一方、国税庁のNo.1500では、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円以下であれば、その年に実際に収入・支出した金額で計算する方法(現金主義)が使えるとされています。この方法を使う場合は、確定申告書にその旨を記載する必要があります。この場合は入金のタイミングが年の区切りになりますが、売上金のまま口座に振り込まれていない分がどう扱われるかは、ココナラのヘルプにも書かれていません。

公式ヘルプ「所得の計算方法」でも、「口座に入金されていない売上を申告に含めるか」は税務署に確認するよう案内されています。年末にかけて売上が出る時期は、次の点を整理しておくと迷いません。

  • 12月に取引が完了した売上のうち、年内に振り込まれていないものの一覧(CSVの「振込状況」が「未」のもの)。
  • 自分の所得区分(事業所得か雑所得か)と、現金主義を使うかどうか。
  • 前年に処理した方法との一貫性。年によって基準を変えると、計上漏れや二重計上のもとになります。
ココナラの公式ヘルプは、売上の計上時期について明確な基準を示していません。「取引完了日で数える」と決めた場合も、「入金日で数える」と決めた場合も、どちらで処理するかを帳簿に書いておき、税務署への確認結果をメモしておくと安心です。

売上データ(CSV)と売上履歴の使い方

申告の材料として使えるのが、公式ヘルプ「売上データのダウンロード機能について」で案内されている売上データのCSVです。確定申告に活用できる機能として紹介されています。

ダウンロードの手順と注意点

  1. PC版で「売上管理・振込申請」ページを開く(アプリ版では利用できず、PC版のみとされています)。
  2. 「売上履歴」の横にある「売上データを全件CSVダウンロードする」ボタンを押す。
  3. ダウンロードされるのは、ボタンを押した時点で売上履歴に反映されている全期間のデータです。

含まれる項目は、売上確定日、種別、トークルーム/ブログNo、サービス/ブログ名、購入者ID、購入者名、内訳(基本料金・おひねり・オプション支払い)、売上金額、振込状況(未または済)です。課税事業者として登録している場合は、消費税を含んだ売上額が表示されると公式ヘルプに書かれています。「種別」と「トークルーム/ブログNo」の具体的な意味は、ヘルプには説明がありません。

CSVで年間売上を出すときのコツ

  • 売上確定日で年を区切る:1月1日〜12月31日の分に絞って集計します。どの日付を基準にするかは前の章のとおり確認が必要ですが、まず確定日で並べると全体像がつかめます。
  • 売上金額の意味に注意する:ヘルプでは「売上として計上されている金額」とされています。手数料を引いた後の額なのか引く前の額なのかは、実際のデータで確認してください。この記事ではヘルプの記載から断定できませんでした。
  • 振込状況を使う:「未」の行は、年末時点でまだ口座に入っていない売上の候補です。年をまたぐ案件がないか確認するときに使えます。
  • 毎年保存する:CSVは全期間分が出るので、年ごとに日付を切って保存しておくと、後から見直しやすくなります。

プロフィールに表示される取引実績の件数や評価と、申告の根拠になる売上データは別のものです。今回確認できた公式ヘルプの範囲では、申告に使う資料として案内されているのは売上履歴とそのCSVでした。振込の履歴は、銀行口座の入金記録と照らし合わせて突合しておくと、後から説明しやすくなります。振込の仕組みはココナラの出金の記事で解説しています。

経費の例と家事按分

公式ヘルプ「所得の計算方法」では、事業所得も雑所得も「収入から必要経費を引いて」計算するとされ、ココナラのサービス提供に使う経費の例として、次のものが挙げられています。

  • PCなど、サービスの提供に使う機器
  • 減価償却費
  • 通信費

また、PCなどを私用と兼用している場合は、ココナラのサービス提供に使った分だけを経費にできると案内されています。これが家事按分です。国税庁のNo.1350でも、家事上の経費は原則として必要経費にならず、事業に必要な部分を明確に区分できる場合に、その部分が必要経費になるとされています。

ココナラ出品者に多い経費の候補

経費の例考え方
販売手数料(支払手数料)売上を総額で計上する場合、売上から差し引かれた手数料を経費にする
振込手数料売上金額が3,000円未満の振込申請では160円が差し引かれる(公式ヘルプ)。差し引かれた分は支払手数料として整理できる
通信費インターネット回線・スマホ代は、仕事で使う割合で按分する
PC・周辺機器金額や使用年数により、一括で経費にするか減価償却するかが変わる。私用と兼用なら按分
ソフト・サブスク代デザインソフト、会計ソフト、素材サイトなど。仕事で使った分
外注費・素材代サービスの制作のために支払ったもの
広告費ココナラ内外での広告の費用

経費にできるかは、「そのサービスの売上を得るために必要だったか」と「私的な支出と区別できるか」で判断します。領収書やクレジットカードの明細は、あとで説明できるように残しておいてください。個別の費目は経費にできる?判定ツールで確認でき、考え方の詳細は経費の記事にまとめています。

副業か本業か、開業届・青色申告との関係

ココナラ収入の所得区分は、事業所得か雑所得のどちらかになります。公式ヘルプでは「事業として提供している場合は事業所得、そうでなければ雑所得」と案内されています。国税庁のNo.1350は、事業所得を「事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得」としており、No.1500は、副業のうち営利目的で継続的に行うものを「業務に係る雑所得」としたうえで、雑所得の損失は他の所得と損益通算できないとしています。区分は収入額だけでは決まらないので、判断に迷う場合は税務署に確認してください。

会社員の副業の場合

給与が1か所で年末調整が済んでいる会社員は、前述のとおり、副業の所得が20万円以下かどうかが所得税の申告の分かれ目になります。ただし、所得が20万円以下でも住民税の申告が必要な場合があります。また、医療費控除などで還付を受けたいときは申告することができます。

専業の場合

ココナラを主な収入源にしている場合は、20万円ルールの対象外になるのが基本で、所得が所得控除の合計を超えれば申告が必要です。国民健康保険や国民年金など、所得に応じて変わる負担もあるので、税金の積み立ての記事と合わせて、年間の手取りを見積もっておくと安心です。

開業届と青色申告承認申請書

国税庁のNo.2090によると、新たに事業を始めたときは、個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)と、所得税の青色申告承認申請書を税務署に提出します。青色申告承認申請書の期限は、原則として青色申告で申告しようとする年の3月15日まで、その年の1月16日以後に事業を始めた場合は事業開始の日から2か月以内です。開業届の期限は、国税庁のこのページでは「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」と書かれていますが、一般には「開業から1か月以内」と案内している情報もあります。早めに出しておくのが安全です。詳しくは開業届の記事と青色申告の記事で整理しています。

青色申告の特別控除のうち、65万円控除は、55万円控除の要件を満たしたうえで、電子帳簿保存かe-Taxでの送信のどちらかが必要です(国税庁No.2072)。副業で雑所得になる場合は、そもそも青色申告の対象になりません。開業届を出せば自動的に事業所得になるわけではない点にも注意してください。

インボイス・源泉徴収との接点

消費税とインボイス

公式ヘルプ「サービス購入時の消費税の有無について」では、出品者が個人として販売する場合は不課税取引とされ、サービス価格に消費税はかからないと案内されています。事業者として販売する場合は消費税がかかり、課税事業者として登録している出品者のサービスは金額に「(税抜)」と表示され、消費税は外税で別に加算されます。インボイス(適格請求書)の発行方法は別のヘルプ記事で案内されており、この記事では確認できていません。

ココナラ上の区分と、税法上の課税事業者かどうかは別の話です。国税庁のNo.6498では、適格請求書を交付できるのは登録を受けた適格請求書発行事業者に限られ、登録できるのは課税事業者であるとされています。登録を受けると、売上が小さくても消費税の納税義務が免除されない点に注意が必要です。登録のメリットと負担はインボイス登録の記事、登録後の税額の計算は2割特例・3割特例の記事で整理しています。

課税事業者として登録している場合、売上データ(CSV)は消費税を含んだ売上額で表示されます。消費税の申告では税抜と税込を分ける必要があるので、消費税の税込・税抜計算ツールが使えます。購入者に発行される領収書は、プロフィールに「インボイス発行事業者」と表示された出品者のものであれば、適格請求書に対応した形になると公式ヘルプにあります。

源泉徴収

公式ヘルプ「【法人機能】源泉徴収とは(出品者向け)」によると、法人の購入者が源泉徴収機能を使った取引では、次のような仕組みになります。

  • 「提案額」は、出品者の売上と販売時の手数料を合わせた金額です。
  • 「総契約額」は提案額に源泉徴収税額を加えた金額で、提案額を0.8979で割って求めます。
  • 源泉徴収税額は、総契約額のうち100万円以下の部分に10.21%、100万円を超える部分に20.42%をかけて計算します。
  • 出品者の売上は、源泉徴収がない取引と変わりません。ココナラ自身は源泉徴収を行わず、法人の購入者が国に納付します。

例として、提案額が1万円なら、総契約額は約11,137円、源泉徴収税額は1,137円です。販売履歴とトークルームの画面に、源泉徴収税額が表示されます。

源泉徴収された税額は、確定申告で「すでに納めた税金」として精算するのが一般的です。ただ、売上データ(CSV)の項目一覧に源泉徴収税額の欄は見当たりません。該当する取引がある場合は、トークルームや販売履歴に表示される源泉徴収税額を保存しておき、申告での書き方は税務署に確認してください。仕組みの全体像は源泉徴収とインボイスの記事にあります。

まとめ:まず何をするか

ココナラの確定申告は、「売上を一覧にする」「手数料と経費を分ける」「所得区分と期限を確認する」の3つで進められます。ココナラの公式ヘルプも、計上時期や手数料の書き方については税務署への確認を勧めているので、迷った点は先に聞いておくのが近道です。

  1. 今年の売上データをCSVで保存する。PC版の「売上管理・振込申請」から、全件のCSVをダウンロードします。
  2. 売上を総額で集計し、手数料を別に集計する。手数料は売上から差し引かれた額で、経費として整理します。年末時点で振込状況が「未」の分も確認します。
  3. 経費を洗い出す。通信費、機器、ソフト代などを、仕事で使った割合で按分します。領収書や明細は保存します。
  4. 所得を出して、申告が必要か確認する。会社員の副業なら所得が20万円を超えるかを、専業なら全体の所得を見ます。確定申告の要否チェックツールで確認できます。
  5. 所得区分と開業届・青色申告の方針を決める。来年から青色申告にするなら、承認申請書の期限は原則3月15日です。
  6. 税金の取り置きを始める。入金のたびに一定割合を別口座に移すと、申告時に慌てません。税金カレンダーで、申告と納付の時期も確認できます。

※この記事は、ココナラ公式ヘルプと国税庁の公開情報(2026年10月13日確認)にもとづく一般的な整理です。法令や制度は改正されることがあり、個別の税務判断を行うものではありません。申告の要否や計上方法で迷う場合は、税務署または税理士に確認してください。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の税務・法律相談ではありません。制度は改正されることがあるため、実際の判断は国税庁などの公式情報や、税理士などの専門家にご確認ください。