老後の不足額ツール(国民年金の場合)
自営業・フリーランスの年金は、国民年金(令和8年度の満額は月70,608円)が基本です。老後の生活費との差額と、その差を何年分埋めるかを計算し、いまから毎月いくら積み立てればよいかを出します。
老後に不足する額
- いまから毎月積み立てる額-
- 年金の月額(手取り前)-
- 年金の月額(税・保険料を引いた後)-
- 毎月の不足(生活費−年金など)-
- 年金を受け取る前の空白期間の生活費-
- 年金開始後の不足の合計-
- 必要な額(合計)-
- いまの資産-
受け取り始める年齢を変えると
| 開始 | 基礎年金の増減 | 年金(手取り後) | 毎月の不足 | 必要な額 |
|---|
繰下げは年金額が増えますが、受け取り始めるまでの生活費が別に必要です。「必要な額」には空白期間の生活費も含みます。
国民年金だけで、老後の生活はできるのか
令和8年度の老齢基礎年金は、40年(480か月)納めた満額で月70,608円です。ここから税や保険料が引かれるため、手取りは月6万円台になります。自営業・フリーランスの多くは、会社員のような厚生年金が上乗せされません。だから老後の生活費との差を、自分で埋める計画が必要です。
このツールの使い方
- 年齢、働き終える年齢、年金を受け取り始める年齢、何歳まで生きる想定かを入れます。
- 国民年金の納付月数(満額は480か月)、付加保険料の月数、厚生年金の見込み額(あれば)を入れます。
- 老後の毎月の生活費を、いまの価格で入れます。
- 不足額と、いまから毎月積み立てる額、受給開始年齢ごとの比較を確認します。
計算の考え方
- 毎月の不足:老後の生活費−(年金の手取り+年金以外の収入)
- 年金開始後の不足:毎月の不足×12×(想定年齢−開始年齢)
- 空白期間:働き終える年齢が年金の開始より早い場合、その間は収入も年金もない前提で、生活費を全額積み上げます。
- 積立額:不足を、働き終えるまでの月数で割ります。想定年利を入れると、積立の運用益と現在の資産の成長を考えます。
数字の例
35歳、65歳まで働き、65歳から満額の国民年金を受け取るとします。生活費は月25万円、年金から10%が引かれるとして、手取りの年金は約63,500円。毎月の不足は約18.6万円です。95歳まで30年なら、不足は約6,700万円になります。これを30年(360か月)で積み立てるなら、利回り0%で月約18.6万円です。大きな数字ですが、生活費を20万円に下げれば不足は約4,900万円。貯める年数を延ばす、働く期間を延ばす、付加年金や厚生年金を足す、といった組み合わせで縮められます。
不足額を小さくする手段
- 付加年金:国民年金に月400円を上乗せして納めると、年200円×納付月数が増えます。36年(432か月)納めると、年金が年86,400円増えます。納付総額は172,800円なので、受け取りが2年を超えれば元が取れる設計です。
- 受給開始を遅らせる:繰下げは1か月あたり0.7%の増額で、75歳まで可能です。ただし、遅らせた分の期間は年金がない生活費が必要になります。
- 国民年金基金・iDeCo・小規模企業共済:掛金が所得控除になります。共済・iDeCo節税シミュレーターで、節税額を確認できます。
- 働く期間を延ばす:無理のない範囲で、収入を少し残す。年金を受け取りながら働く選択肢です。
- 生活費を見直す:もっとも効果が大きい手段です。家賃や住居費は、老後に大きく変わりやすい項目です。
このツールの限界・注意点
- 物価の上昇、年金額の改定、医療費・介護費の増加、税・保険料の変化は含んでいません。現在の価格での計算です。
- 年金から引かれる割合は、入力した値のとおりに計算します。実際は所得や住む自治体で異なります。
- 国民年金の免除・納付猶予、追納の扱いは、納付月数に反映されません。実際の受給額は、日本年金機構の「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認してください。
- 結果は目安です。具体的な計画は、年金事務所やファイナンシャルプランナーに相談してください。
よくある質問
国民年金の満額は、いくらですか?
令和8年度は、昭和31年4月2日以後生まれの人で月70,608円(年額847,296円)です。40年間(480か月)保険料を納めた場合の額で、納付月数が少ないと、その分減ります。
付加年金は、お得ですか?
付加保険料は月400円で、将来の年金が年200円×納付月数増えます。たとえば10年(120か月)納めると、納付総額は48,000円、年金は年24,000円の増額です。2年程度受け取れば元が取れる計算ですが、国民年金基金に加入している人は、付加保険料を納められません。
年金を繰り下げると、必ず得ですか?
長生きすれば受け取る総額は増えますが、受け取り始めるまでの生活費は別に必要です。このツールの比較表では、空白期間の生活費を含めた「必要な額」で比べられます。寿命は誰にも分からないため、損得ではなく、安心感と生活の余裕で選んでください。
会社員だった期間がある場合は?
厚生年金の見込み額を、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認して入力してください。このツールは、基礎年金と厚生年金などを合計して計算します。
本ツールの計算結果は一般的な条件にもとづく概算です。個別の事情(自治体・所得の種類・各種控除など)により実際の金額は異なります。税務・法務に関する最終判断は、税理士などの専門家または国税庁・各プラットフォームの公式情報でご確認ください。